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15歳の誕生日を迎えた新之助へ

あなたと出会ったのは…
父親の気まぐれでペットショップに連れて行かれ、
「柴犬が欲しい。この柴犬の兄弟可愛いな。抱っこさせて貰おう。」という父親の言葉で、
ガラス張りのケース内を
とぼとぼ、よちよちと歩いていた子犬のあなたに目が止まった時でしたね。

そして
「『今日購入を決めて貰えれば、2万円安くする!』
とブリーダーから今承諾を得たので、決断したらお得ですよ」と店員が父親に囁きました。

今思えば、
この柴犬の子犬は現在問題となっているペット業界の実態を象徴することだらけでした。

(その時、新之助は生後90日でした。)

「ブリーダーを教えて欲しい。親犬が見てみたい。」とペットショップにいくら問い合わせしても、懇願しても、ブリーダーのことは一切伝えられないの一点張り。どんなところでどんな風にどんな親犬から生まれたかも、結局分からずじまい。
「せめて、血統書だけでも欲しい。」と依頼して、届いたのも半年以上後のことでした。

今、
すっかり可愛い老犬となって、穏やかに過ごしてくれる新之助は、大きな病気を抱えた犬でした。
頑張り屋さんで、完璧主義で、忠犬なこの柴犬も…

それ故に、
飼い主にとってほんとうに難しい犬でした。

私は、あなたと格闘する日々の中で
ひとつの決心をしました。

実母の介護から解放された3年前
その決心を行動に移し、今の仕事につきました。

新之助に出会ったおかげで
ドッグトレーナーになってしまった私。

そのおかげで
自分らしい人生を取り戻し、
緑豊かな自然の中で働く時間もたっぷり出来て、
とっても幸せに日々過ごせている今があります。

新之助、
今までどうもありがとう。
これからは、さらに元気で、楽しく行こうね。
穏やかによろしくお願いします。

あなたの誕生日プレゼントに
鶏肉と豆乳のクッキーを焼きました。
美味しそうにパクパク食べてくれてありがとう。

もう一つのプレゼントは
あなたの後ろ脚が少しでも長く動いて
散歩を楽しめる時間が続くように
グルコサミンのサプリメントです。


頑張って生きてきたあなたが
大好きな散歩を諦めないで済みますように。

 

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